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防災大百科

顔の見える地域社会は災害にも強い

<2022年、福島県は2つの大きな災害に見舞われた>
3月に発生したのが福島県沖を震源とする地震で、震度6強を南相馬市・相馬市・国見町で観測した。死者1人、重軽傷101人。住宅被害は全壊が165棟、半壊が4024棟、一部損壊は3万621棟に上った。また、この地震により東北新幹線は一部区間で運転を見合わせ、全線再開通まで1カ月余り時間がかかった。相馬市と国見町では2021年2月にも震度6強を観測するなど、福島県沖では地震が相次いでいて、引き続き注意が必要。

そして、2022年8月には大雨による被害も発生した。幸いにも死者やケガ人は確認されなかったが、会津を中心に記録的な大雨となり喜多方市ではJR磐越西線の鉄橋が崩落。2023年春ごろに復旧が完了する見通しだが、運転再開の時期はまだ決まっていない。

<防災のプロはこの一年をどう振り返る?>
東京大学客員教授・防災マイスター 松尾一郎さん:
「改めて思うことは、温暖化が進む中で水害も発生しています。加えて、福島県沖ではマグニチュード7以上の大きな地震が、数十年サイクルで起こることはもう分かっている。すでに東日本大震災から12年経ち、折り返し地点にあると思ったほうがいい。だから災害に対する備えや構えは、今からでも取り組んでおきたいと思います」

<12月11日に福島県郡山市で開催された防災イベント「そなえるふくしま」>
地震や大雨など災害が相次ぐ中、防災への意識を楽しみながら高めてもらおうと、福島県が初めて開催。
ステージでは、福島テレビ・気象予報士の斎藤恭紀さんと福テレ防災アドバイザーの松尾一郎さん、福島県伊達市出身の長沢裕さんが「出張!防災大百科」を展開。災害への「備え」を改めて呼びかけた。

一方、会場には約40のブースが出展。このうち川俣高校の生徒は、自ら作成した"ハザードマップ"を紹介した。
2019年の東日本台風で特に大きな被害を受けた川俣町の小島地区。しかし、町には洪水のハザードマップがないため、生徒たちは2022年6月から地元自治会と連携し、現地調査を行うなどして独自のハザードマップの作成を進めていた。そして、11月末に完成したハザードマップは、東日本台風の被害の状況をより分かりやすく知ってもらうために、被害を記録した写真も見られるように工夫した。
小島自治会では、今後 災害時にサポートが必要な要支援者の情報も盛り込み、犠牲者ゼロに向けた取り組みを進めていきたいとしている。一方、川俣町は洪水ハザードマップの策定を進めていて、2023年3月にも公表を予定しているという。


動画はYouTube 福島ニュース【福テレ】でご覧いただけます。

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