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豪雪被害を乗り越えて 出荷量日本一を誇るカスミソウ 村の宝を守るため熟練農家が奔走《もっと!ぐっと!昭和村》

福島県昭和村は日本一のカスミソウ産地として知られる。2025年2月の記録的豪雪で農業用ハウス172棟が倒壊する被害を受けたが、村全体で復旧に取り組み、再び美しい花を咲かせている。新規就農者と経験豊かな農家が守った村の宝を、今年は特別な思いで届ける。

◇【動画で見る】動画はYouTube 福島ニュース【福テレ】でご覧いただけます

大雪被害を乗り越えて

人口・約1200人、福島県西部の奥会津に位置する昭和村。夏と秋のカスミソウの出荷量は全国一を誇る。夏の最盛期を迎え、丹精込めて育てあげたカスミソウが毎日出荷されていく。
カスミソウ栽培を始めて7年目・林玄三郎(はやしげんさぶろう)さんが「結構大変でしたけど、なんとかやってこられたなという感じ」というように、カスミソウ農家にとって2025年の出荷は特別な思いがあった。

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2025年2月に福島県を襲った最強寒波。豪雪地帯の昭和村でも、記録的な大雪でカスミソウを栽培する農業用ハウスは、全体の2割弱に当たる172棟が倒壊した。
JAや役場の職員などが総動員で農家をまわり、雪の被害にあった農業用ハウスを撤去。地域の宝・カスミソウを守るため、村全体で復旧に力を注いだ。

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新規就農者を襲う自然災害

この道・約30年の立川幸一(たちかわこういち)さんは、昭和かすみ草部会の部会長として先頭に立ってハウスの復旧に取り組んできた。「最近の農業を始めた方々は、まだ大雪の経験がないので、こんなに降るものだと思わなかった。それが、被害が大きくなった原因でしょうね」と語る。
カスミソウの新規就農を支援している昭和村では、2003年から2025年までの新規就農者は33組49人に上り、村の産業を支えている。しかし、これまでの大雪を経験したことがない新規就農者を中心に被害が拡大した。

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同じ経験をした先輩として

立川さんは、若い就農者に農業用ハウスの直し方を指導するなど、復旧に向けて奔走。部会長としての責任と、かつて自分がカスミソウ農家をはじめた時の苦労があったからだった「私もここの出身ではないので気持ちは十分わかります。これまで何回も台風の被害にあったり大雪の被害にあったりしている」と立川さんは語る。
福島県会津若松市で長距離ドライバーとして勤務していた立川さんは、妻の故郷でもあった昭和村に移住し農業未経験からカスミソウ栽培をスタート。先輩農家から栽培方法を学び、自然災害を何度も乗り越えながらここまできた。
自然災害から立ち上がる後輩たちの姿に、立川さんは「農業なんてこんなものだ、こんなことの繰り返しだと。今回なかなかないことが起きた、これをまた乗り越えて元気になって続けて行くのだなと大変うれしく思います」と話した。

豪雪被害を共に乗り越える中で深まった絆は、昭和村のカスミソウをさらに強く、美しく咲かせるための原動力につながっている。

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