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私の家族

理容店から靴店へ業種は変わっても "父の思い"を受け継ぐ息子の決意

時代と社会が変化するなか、福島に生きる家族の姿を映し出すシリーズ「私の家族」
昭和61年ごろ、毎週土日は歩行者天国で賑わった福島駅前通り。時代と共に、中心街の空洞化は進んだが「賑わいを絶やしたくない」と、理容店を営む父から息子へ思いが引き継がれた。

動画はYouTube 福島ニュース【福テレ】でご覧いただけます。

理容店から靴店へ

2023年4月6日、福島市の駅前通りに新たな店がオープンした。
外反母趾や偏平足など、足の悩みに対応する整形靴の専門店だ。店主の大関悠人さんは、整形靴の本場・ドイツで7年間修行し、地元の福島市に念願だった自分の店を開いた。この日、悠人さんをサポートしていたのは父親の宏之さん。ここは、特別な場所だという。宏之さんは老舗・理容店の3代目として、この場所で長く営業し、駅前通りの歴史と共に歩んできた。しかし眼の持病が悪化したため、2022年12月に惜しまれながらも理容店を閉店した。父・宏之さんは「昭和は活気があった。今は、土日は10分の1 平日は2割くらい。"昭和は遠くになれにけり"だな」と話す。

父の思いを受け継いで

「賑わいの場所を絶やしたくない」という父親の思いを受け継いだのが、息子の悠人さん。理容店の閉店後から、新たな店の準備を進めてきた。老舗・理容店の息子として育ってきた悠人さん。学生時代から靴に興味を持っていたが、葛藤も抱えていたという。

「代々続いてきた理容店なので、靴の道を選んで本当にいいのかなという迷いもあった」

しかし、父・宏之さんは「親が商売やっているから、それを継がなきゃならないっていう考え方は、私が親になった時はそうは思わなかった」と息子の夢を後押しした。

「"それをやったらいいよ"と言われた時に、より自分のやるべき事はこれだ!という風に、強く思うようになりました」

大学卒業後はドイツで修行。言葉も話せない状態から7年間努力を続け、国家資格を得るまでの腕前となった。夢を応援してくれた親への感謝の気持ちを抱きながら、技術を磨き続けてきた悠人さん。ある決意を固めていた。

「地元の福島、そして父の店があった場所でやりたい。自分の中では、外せない決意だったんです」

息子の決意

強い決意が形になったオープン初日。カフェも併設した店内は、多くの人で賑わった。店の奥は、悠人さんの作業場。そこには、理容室の看板から抜き出した『OHZEKI』の文字。父への思いが表現されていた。

「ここに理容店があったという形を残したかったという思いと、父が一所懸命、今まで働いてきたその背中をいつでもいつも忘れないというようにする思いで」

父・宏之さんには内緒で準備を進めてきた。
これを見た父は「本当に驚いた。長年の店名を引き継いで形にしてくれた」と喜びを隠せない様子。息子・悠人さんは「業種が変わっても、受け継いでいきたい。地域の皆様に喜んで頂けるような仕事をしていきたいと思います」と決意を語った。店の形は変わっても思いは引き継がれ、これからも続いていく。

父:「次の時代、頑張ってね」
息子:「ハイ、精一杯頑張ります」

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