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防災大百科
「意外とドアが開けられない」浸水50センチからの脱出 逃げ遅れないために大雨時の避難は"早め"が鉄則
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毎年のように「観測史上最大」の言葉が聞かれるように、これまでの経験を必ずしも"あて"にできなくなった大雨への備え。早めの避難が重要になるが、自宅や車が水に浸かってしまうと、それだけで身動きが取れなくなってしまう恐れもある。
建物のドアは浸水50センチでも
京都大学防災研究所が「浸水現場」を再現して行った実験では、平均的な男性が押し開けることができるのは、35センチから47センチほどの水の深さまでだったといいう。
京都大学防災研究所・宇治川オープンラボラトリーの川池健司教授は「意外と浅い水深で、建物のドアが開けられなくなるということは、皆さん口をそろえて言う。40~50センチくらいまで溜まっていても、開けられるだろうと予想されている方が割と多いが、実際やってみたら50センチだとほとんどの男性の方も開けられない」と話す。
女性や子どもなど力が弱い人であれば、さらに浅い水深で「閉じ込め」にあってしまう恐れもある。
アンダーパスではさらなる危険
また、同じドアでも車の運転中は、アンダーパスへの進入などで急に水深が増すという危険が伴う。ドアの下からの水深が40センチに満たなくても、脱出に時間がかかり、さらに10センチほど増えると脱出できないケースも出てきた。
宇治川オープンラボラトリーの川池教授は「地形的に見て、周りよりも標高が低くなっている所、普段そういう意識して見ることはないかもしれませ。身近な所の浸水リスク、どのくらい浸水しやすい所なのかということは事前に知っておくことが重要」と話す。
生活圏内のリスクを把握し、避難行動をとりはじめる「きっかけ」を決めておくことも重要だ。