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復興担う子どもたちの人間力を培う場所に 人が戻り始めた富岡町で学習塾を再開 校長親子の決意

2025年3月に、福島県富岡町で震災後14年ぶりに再開した学習塾「川崎学院富岡校」。川崎瑞穂さんと母・葉子さんが住宅を改修して開校した。これからの復興を担う子ども達を、教育面から支援するため親子二人三脚の挑戦が続いている。

富岡町にあることの意味

富岡町の小学生と広野町の高校生の2人が通っていた塾に、新しい生徒が加わった。
2026年に大学受験を控える青山悠珠さんは、これまで通っていた「いわき校」から自宅近くの「富岡校」に転校し、この日が初めての授業。
青山さんは「近くに塾があるというのは、すごく頼もしい事。何より学習の場があるのは、自分の勉強の意識の向上にも繋がるので、すごく良いなと思っています」と話す。
校長の瑞穂さんも、生まれ育った富岡町で塾を開校できた喜びをかみしめていた。
「一言でいうと、感無量。生まれは富岡町夜の森で、小学校までいました。戻ってこられたことと、そこで塾ができるのはすごく嬉しい」と瑞穂さんはいう。

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東日本大震災後の教育環境

母・葉子さんが、富岡町夜の森地区の実家で学習塾をスタートしたのが50年前。
葉子さんは「すごかったですよね。子どもは。この辺は特にここは有名。夏休み、朝6時っていうと生徒くるから」と振り返る。
双葉町など双葉地方を中心に塾経営を拡大したが、東日本大震災で休校を余儀なくされた。震災前、富岡町に1500人ほどいた小中学生は、現在・約100人に。
かつては町に複数あった学習塾。再開したのはまだ川崎学院だけだが、富岡町教育総務課の松本真樹さんが「学びの場が学校以外にもあって、子ども達の経験・体験をできる場が増えることは非常にいいこと」と話すように、富岡町の希望の一つとなっている。

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人間力を培う場所に

採算の見通しがたたないなか、親子二人三脚で塾を再開させたのは生まれ育った地域の復興を願う思い、そして親子の信頼関係があった。
瑞穂さんは「ケンカをしながらやったり。やはり人生の先輩としても、仕事の先輩としても身近に居てくださる、一緒に居てくださるっていうのは、良い事だと感じております」と話し、母・葉子さんは「お互いの良い所が出し合って、1+1が2じゃなく、2にも4にも8にもなっていくような。そういう力強さがお互い感じ取れるようになってきている」と話す。
復興を支える子どもたちには、勉強だけではなく心も人間力も成長してほしいとういうのが川崎さん親子の思いだ。

2026年度からは、ピアノやバレエなどのカルチャー教室の再開も目指している川崎さん親子。子どもたちだけではなく、みんなが学べる場所を目指して親子2人の夢が重なっていく。

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