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ホームは温泉街 福島県を拠点に活躍するeスポーツチーム「FUKUSHIMA IBUSHIGIN」
世界での競技人口は約1億3000万人といわれる「eスポーツ」。ビデオゲームやコンピューターゲームを使って対戦する「スポーツ」だ。優勝賞金が1億円以上の大会もあり、世界中で熱狂空間が広がっている。高額な賞金も魅力だが、大会を開くことで周辺の宿泊施設や飲食店にたくさんの人が訪れることから「地域を盛り上げる」という一面も持つ。その取り組みを行っているeスポーツチームが福島県にある。彼らの名は「FUKUSHIMA IBUSHIGIN(フクシマイブシギン)」。「福島から世界に」、その思いと活動に迫った。
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拠点は温泉旅館!?
FUKUSHIMA IBUSHIGINの拠点は、福島県福島市の飯坂温泉にある。
出迎えてくれたのは、チームのオーナー・拝田遼平(はいだ りょうへい)さん。「IT事業は色々やっている。FUKUSHIMA IBUSHIGINというeスポーツチームの運営母体になる会社」と案内してくれたのは、かつての温泉旅館だった建物。
社員や選手の住まいとなっているほか、今後は一般の人がゲームを楽しめるスペースや温泉入浴など地域の人が交流する場にする予定。
福島好きが高じて
福島を拠点に選んだ理由を拝田さんは「福島がすごく好きだということが根底にある」と語る。埼玉県出身の拝田さんは、幼いころからゲームが大好きで、7年前にアマチュアゲームチーム「いぶし銀」の一員となった。
父親が福島県二本松市出身ということもあり何度も訪れていて、10年前には猪苗代町の旅館で働いていたこともあった。
「福島が好きになったのは、お酒であったり、料理であったり、人柄であったり。みんな構ってくれる。10年も前なのでゲームに対して否定がちな人が多い中で、福島の人はそんなこともなく、応援してくれることもあって」と振り返る。
飯坂温泉を選んだわけ
インターネットの環境が整えば、どこでも誰でも楽しめる「eスポーツ」。しかし、拝田さんがこだわったのが「温泉旅館」そして「飯坂」だった。
「散歩して空気おいしくて、夜は温泉に入れて。夜じゃなくても気が向いたときにフラッと入れてっていうのは、この場所ならでは。飯坂温泉は前から知ってはいたけど、改めてどんなところか調べたときに、温泉むすめがあったので、eスポーツも応援してもらいやすいのではないかと」と語る。
チャンピオンも排出
2019年にプロチーム・FUKUSHIMA IBUSHIGINを設立。
「泥臭く・しぶとく」を武器に、チームは2024年に初参戦のリーグ戦でプレイオフ進出を果たした。そして2025年は所属していた選手が世界一になるなど、その名を轟かせた。
拝田さんは「助っ人や、リーグ戦のために新しく選手をとってというようなチームが多い中で、イブシギンは一番短い選手でも2年ぐらいの付き合いがあるチームだったので、そこはいいように作用したのではないかなと思っています」と語る。
チームのホームとして
拝田さんが掲げる「目標」は、サッカーや野球のホームグラウンドのように、eスポーツで飯坂に沢山の人を呼び込むことだ。
「得意なのはインターネットなので、沢山の人と連携しながら飯坂の魅力を、どんどん発信して、日本だけじゃなくて世界中の人に見てもらう。飯坂に色んな国の人が、色んな県の人が来てくれたらいいかなと」と拝田さんはいう。
大注目 福島県出身の選手
拝田さんの熱い思いを取材していたその時...現れたのは、福島県郡山市出身のプロゲーマー・Yanai選手。FUKUSHIMA IBUSHIGIN「ストリートファイター」部門のリーダーであり、その実力は世界レベルだ。2025年5月行われた格闘ゲームの世界大会「EVOJAPAN2025」では、エントリーした6600人中9位という成績で注目を浴びた。
次回は、郡山市出身のYanai選手の強さに迫る。