テレビ番組テレポートプラス
生まれた軋轢...地域との共生は可能か!? 拡大する再生可能エネルギー エネルギー政策転換から15年を迎えた福島県の今

原発事故の教訓から福島県は、再生可能エネルギーの導入を積極的に進めてきた。福島県内各地のメガソーラーで軋轢が深刻になるなか、国の研究機関も「地域との共生」に向き合っている。
原発に依存しない
東日本大震災と原発事故の発生から15年。いまも2万人以上が避難を余儀なくされるなど影響は続いている。
未曽有の被害が出た原発事故の経験から「原子力に依存しない社会」を目指して福島県が推し進めてきたのが、再生可能エネルギーの導入だった。
「2040年頃までに、県内のエネルギー需要の100%以上に相当する量を再生可能エネルギーで生み出す」という目標を掲げ、その結果、福島県内の太陽光発電施設の合計の最大出力は他県を大きく引き離し、全国1位となっている。
(※太陽光発電354施設198万5993kW・2位は茨城122万6294kW)

メガソーラーでの軋轢
一方、福島県内に急速に広がったメガソーラーにより、市民が不信感を募らせる事態も起きている。
「どこかで誰かが儲けていると思うと、すごく気分が晴れない。そういうのも福島市民から奪われてしまったものの一つ」と語るのは先達山を注視する会の梅宮毅共同代表。
2025年9月に商業運転を開始した、福島市の先達山太陽光発電所では景観の悪化や太陽光パネルによる「光害(ひかりがい)」の問題が指摘されている。
市民団体が事業者や行政へ繰り返し対応を求めているが、いまだに改善はされていない。
梅宮共同代表は「地域と共生できる、持続可能な正しい再エネを普及させていく。ルールを決めないまま進めてきてしまった過ちを認めて、これからちゃんとルールを作っていくというところに、福島市が自分たちから声をあげるということが必要」と語る。

課題と向き合うFREA
エネルギー政策の転換から15年を経て、浮き彫りとなった課題。これに向き合うのが「福島再生可能エネルギー研究所」通称・FREA(フレア)だ。
国の研究機関「産業技術総合研究所」の拠点のひとつで、福島の復興政策を象徴する施設として2014年に開所した。
産業技術総合研究所・福島再生可能エネルギー研究所の古谷博秀所長は「再生可能エネルギーだいぶ普及はしてきて、市民権も得てきていると思う。ただ単に入れていけば良いよという促進だけではなくて、ちゃんと正しい適切な入れ方をしなければいけないというところが問われてきていると思う」と語る。

再エネと地域の共生
FREAが重点的に取り組んできたテーマの一つが「再生可能エネルギーと地域の共生」だ。
軽量で柔軟性があり、高い発電効率が報告されている「ペロブスカイト太陽電池」。設置が容易で大規模な開発を必要としないことなどから、次世代の太陽電池として期待されている。
FREAでは夏頃から福島県の補助事業として、ペロブスカイト太陽電池などを屋根や壁面に設置する実証実験を開始。10年ほどかけて耐久性などのデータを集める計画だ。
また、太陽光パネルのリサイクルに関する研究も進められている。太陽光システム研究チームの大関崇さんは「太陽電池モジュールの重量の6割がガラス。ガラスをどういう風にリサイクルするかというところが非常に重要になってくる」と説明する。
福島県内の企業と共同で行われているこの実験は、材料のガラスを砕き敷材として活用した場合の発電量や防草の効果を検証するもの。
こうした被災地の企業との共同研究は、2024年度までに213件が採択され、3割以上が事業化。再生可能エネルギー関連の産業振興につながっているという。

メガソーラーをつくる意味とは
このほか、発電と農業を同時に行う「営農型太陽光発電」の実証試験も各地に展開。農地の日射量を解析したデータの整備を進め、自治体や企業への提供も検討している。
大関さんは「地域に役に立たない太陽光だったら極端な話、入れなくても良いくらい。こういった責任は我々にもあると思っているので、いかに太陽光の信頼を取り戻していくかということが、重要な我々の役割」と語る。
また古谷所長は「課題の先進地でもあると思っている。しっかり福島で活動をすることによって、恐らく色んな地域にも応用がきいてくると思う。福島でやるっていうのは、その意味もあるのかなと思っている」と話した。
メガソーラーをめぐり各地でひずみが表面化するなか「地域との共生」をめぐる模索が続いている。

























