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村の自然が生み出す復興のシンボル「かわうちワイン」《もっと!ぐっと!川内村》

村の面積の9割が山林を占める自然豊かな川内村。東日本大震災と原発事故で全村避難になった村の「復興の架け橋になりたい」との思いから誕生したのが「かわうちワイン」だ。
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自然の恵みを受けて育つブドウたち
川内村の北西部、標高750mに位置する「かわうちワイナリー」。この広大な土地で2015年からワインづくりが始まった。苗木の植え付けには「大きく育ってね」と地元の子供たちも参加し、最初は2000本だったブドウの木も、今では1万5000本にまで増えている。
ブドウを使ってワイナリーの中にある醸造所で、川内村産のワインが作られていく。2022年のかわうちワインのお披露目式で、遠藤村長は「どういう状況になっても希望は捨ててはいけないということを、皆さんに理解していただければ」と語った。村の希望を託され誕生したかわうちワインは、現在15種類にまで増えている。
丁寧に育まれた味わい
立ち上げから関わる川内村出身の遠藤一美さんは「多くの困難がありましたけれども、ご支援していただいた皆様のお陰で今ワイン作りができております」と振り返る。
今年の暑さが続く中でのブドウの出来については「雨も少ないので非常にいいブドウができるかなと思っております」と期待を寄せる。番組中に畑で試食したブドウは糖度15度と甘く、収穫時には20度から21度にまでなるという。
多彩な味わいを楽しめるワインたち
白ワイン「ヴィラージュ・シャルドネ2024(3,300円)」は柑橘系の香りと酸味が特徴だ。グラスの中は黄金のように輝き、滑らかな口当たりが魅力。お寿司や天ぷらなどの和食との相性がよいという。
赤ワイン「ヴィラージュ メルロー&カベルネソーヴィニヨン2023(3,630円)」は2024年に日本ワインコンクールで銅賞を受賞した。メルローとカベルネのブレンドで芳醇な香りと程よい酸味、甘みが特徴だ。
意外にもシイタケとの相性がよいという。川内村で採れた肉厚のシイタケをグリルして醤油をかけただけのシンプルな味とワインがよく合う。
未来へつなぐ新たなシンボル
「川内ワインをより多くの皆様に、飲んで楽しんでいただけるように取り組んでいきたい」と遠藤さんは語る。村と共に歩み、多くの人に楽しんでもらいたいという思いが込められている。
「かわうちワイナリー」は予約すれば見学も可能で、ワインは村内の商店やインターネットでも購入できる。さらに10月18日・19日に福島県福島市のあづま総合運動公園で開催される音楽フェス「LIVE AZUMA 2025」にも出展する予定だ。「県内外からたくさんのお客様が来られますので、多くの人に是非川内ワインを味わっていただきたい」と遠藤さんは意気込む。
<かわうちワイナリー>
川内村大字上川内字大平2ー1
【営業時間】9:00~17:00
【定休日】土・日・祝
ワイナリー見学は無料(※要予約)