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課題は少子化への対応 給食デザートの食品メーカーがECビジネスに挑戦 新たな販路でも変わらぬ思い

福島県福島市で60年以上続く食品メーカーが、自社ブランドを守りながら時代のニーズに応える新しい挑戦を続けている。

◇【動画で見る】動画はYouTube 福島ニュース【福テレ】でご覧いただけます

"おいしい"を子供たちに

福島市瀬上町にある食品メーカー「トーニチ」。この会社で製造しているのが、学校給食でお馴染みのデザートだ。
トーニチ株式会社の岸秀樹社長は「もともとは福島や東北のおいしい果物を、ゼリーや冷凍フルーツに加工して、東北の子どもたちに届ける。そんなコンセプトで商品づくりをして参りました」と語る。
昭和32年に創業したトーニチは、アレルギー食品を使用しない給食用デザートなど、学校や介護施設などで提供される食品を中心に開発を続けている。
岸社長は「一番大切なのは、おいしいこと。一口目を食べて『これおいしい』と言ってもらえる物を作るように心掛けている」と話す。

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少子化の影響はここにも

新商品を開発する「試験室」では、毎年40種類もの新商品が開発されている。
この日、作られていたのがソーダの風味が懐かしい「富士山ゼリー」。検査で安全性が確認されると、いよいよ出荷される。
トーニチで現在取り扱っているデザート製品の数は130種類以上、24時間稼働している工場では、一日あたり約27万個の製品が作られている。
給食用デザートを軸に開発してきたトーニチの課題は、少子化への対応。
学校数の減少や物価高の影響で、給食用デザートの売り上げはピークだった20年前と比べ約15%落ち込んだ。
そこで、新たな一手を打ち出した。それが、一般消費者向けに商品を販売する、ECビジネスだ。給食で愛されてきた「アップルシャーベット」や、行事デザートなど約10商品をオンラインショップで販売する。

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これまでとは違った魅力も

直接、消費者に商品の魅力を伝えるために、これまでとは違った工夫が必要だ。
いま人気となっているのが、高齢者向けのデザート。14種類のミネラルと13種類のビタミンを補うことができるという「まるっと栄養バニラアイス」は、多い月で100セットを売り上げる人気商品に成長した。
時間が経っても溶けにくい特殊な製法などを、ECサイトでも打ちだしたことで、高齢者の家族などが家庭でも食べさせたいと商品を購入してくれるようになった。
トーニチの袖山重信さんは「食べることに疲れて食事に楽しみが持てなくなった方が、アイスだと食べる喜びがあるようで『食べるって楽しい』という声をいただいている」と話す。

岸社長は「お客様の近い所で、商いをやりたい。なぜならばお客様の声をダイレクトに聞くことができるから。我々にとってもやりがいになるし、課題の発見も早くなる」と話す。
業者相手のビジネスから、消費者向けの商品開発に力を入れはじめた老舗企業の挑戦。
ただ、そこには「愛されるデザートを作りたい」という変わらない思いが根付いている。

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