2号機プールからの核燃料取出しへ 5月24日にも取り出し設備を構内に搬入<福島第一原発>

東京電力は、福島第一原子力発電所2号機での使用済み核燃料の取り出しに向け、気象条件が整えば5月24日にも、核燃料をつかんで取り出すためのクレーン設備を第一原発構内に搬入する計画だと公表した。クレーン設備は約230tで、神奈川県の工場から海上輸送されているところ。構内に搬入したあとの具体的なスケジュールは未定だが、1週間から10日ほどで設置作業を始めたいとしている。
第一原発2号機の使用済み燃料プールには、使用済みの核燃料587体と、未使用の燃料28体の、合わせて615体の燃料が保管されていて、専用の容器に格納したうえで建屋の外にある「共用プール」に移動させる計画。
取り出し装置を動かすための"レール"の設置は、2025年3月に完了していて、東京電力は2026年度のはじめにも取り出しを開始したいとしている。
2025年4月末の時点で、1・2・5号機の使用済み燃料プールに残されている使用済みの核燃料は2000体あまり。事故で溶け落ちた核燃料=燃料デブリの取り出しと合わせて、この核燃料を取り出し安定した状態で保管することが課題となっている。
また、2025年4月には、事故後2回目となる燃料デブリの試験的取り出しが行われたが、2回の採取量を合わせても約0.9g。第一原発には880tの燃料デブリが残ると推計されていて、まだその10億分の1程度と、取り出し完了までの道は遠い。
第一原発の廃炉は、前回の燃料デブリ採取の着手をもって最終段階の「第3期」へと入った。一方で、何をもって「廃炉」の判断とするか、明確なゴールは示されていない。
国と東京電力は2051年までの廃炉完了を掲げている。