事実上の政権選択選挙 全国32の1人区が鍵 5候補が争う福島県選挙区の情勢分析【参議院選挙2025】
今回の参議院選挙は"政権選択選挙"とも言われている。2024年の衆院選では、いわゆる「政治とカネ」の問題が全国で大きく影響し、与党が過半数割れ。単独では法案を可決させられない「少数与党」となっている。
一方、参議院では過半数を維持しているが、今回の参院選で与党は非改選が75議席、過半数を維持するには今回の選挙であと50議席を獲得しないといけない。
■ポイントとなる"50議席"
衆院でも参院でも、過半数を切れば自公政権の維持に危険信号がともるので、与党にとってこの50議席が「絶対防衛ライン」と言われている。
一方で、野党は政権交代を強く訴えている。私たちの1票が大きく今後を左右する事実上の"政権選択選挙"、福島県も与野党双方から特に重要な選挙区と位置づけられている。
■勝敗のカギ「1人区」
大きく勝敗を左右することになりそうなのが、福島県を含めた全国32の「1人区」だ。改選数が1の選挙区は主に地方に集中しているのだが、与野党一騎打ちの構図になりやすい選挙区だ。
複数区だと、結果的に与野党が議席を分け合うというパターンも多いが、1人だけを選ぶ「1人区」は、いわゆる"風"の吹き方が大きく勝敗を左右することも少なくない。
■「1人区」福島県選挙区
その「1人区」である福島県選挙区には、5人が立候補している。
届け出順に
●参政党・新人で会社役員の大山里幸子(おおやまりさこ)さん
●諸派・新人でIT会社社長の越智寛之(おちひろゆき)さん
●自民党・現職で元法務大臣の森雅子(もりまさこ)さん
●立憲民主党・新人で元衆院議員の石原洋三郎(いしはらようざぶろう)さん
●無所属・新人で元福島県職員の遠藤雄大(えんどうゆうだい)さん
■揺れる福島県選挙区
「政治とカネ」問題の当事者でもある森さんには、公明党からの推薦はありませんが政権を維持するためとして「強力なる心情的支援」という形を取っている。選挙戦中も、公明党の現職の参院議員がマイクを握る姿がみられた。
一方の野党、共産党が候補者をおろし、選挙区では石原さんへの投票を呼びかけるとしているが、立憲民主党とは主義主張が違い支持者の理解を得るため、「野党共闘」という言い方はしていない。
事前の情勢調査などでは、全国で勢いを増す参政党も票の奪い合いに大きく関わると見られていて、激しい戦いとなっている。