自民・森雅子候補に迫る 「政治とカネ」逆風のなか3期18年の実績を強調【参議院選挙・福島】
参議院選挙・福島県選挙区の候補者をその主張とともに詳しく紹介する。自民党・現職の森雅子(もりまさこ)さん、2024年の衆議院選挙から続く自民党への逆風との闘い。3期18年の実績とその継続の必要性を強く訴える。
■厳しい選挙を強調
自民党・現職の森雅子さん。7月6日、田村市での総決起大会。公示後、初の「選挙サンデー」、4選の行方を左右する"県中"エリアで強調したのは、これまで以上の厳しさだ。
自民・現職 森雅子候補:「深く反省し、自民党は出直してまいります。私自身が自民党を改革する覚悟で頑張ってまいります。この厳しい選挙であっても、この選挙に負けるわけにはいかないんです」
■政治とカネで釈明
逆風が続く自民党。2024年の衆院選では、県内の小選挙区で1勝3敗、「政治とカネ」に厳しい審判が下された。自らも「不記載」があった森さんは「違法な支出や私的用途での支出は一切ない」と釈明に追われた。
森候補は当時「県民の皆様・国民の皆様方に私という政治家をまた国会に送るのか、活動してもらうのかということに対して、正々堂々とご判断をあおいでいきたいと思っております」と話した。
■3期18年の実績強調
「正々堂々と臨む選挙」。力を込めて訴えるのは、法務大臣など閣僚も経験した3期18年の実績だ。
6年前の前回選挙で、野党候補に3万票余りの大差を付けた地盤のいわき市。小泉農林水産大臣も応援に駆け付け、さらなる票の掘り起こしを目指す。
小泉農水相は「自民党はきつい、自公で過半数割れかもしれない。森雅子さんも大変大激戦。楽観できない。こういう報道ばっかり出ています。元気出ませんよね?だけど、皆さん元気出していきましょう。私は最後は絶対勝つと思っていますから」と演説した。
■福島市で票の切り崩し図る
一方、立憲民主党が擁立した新人候補の地盤、福島市では票の切り崩しを急ぐ。
「福島市を始めとした、県庁を所在地を始めとした、この福島県の復興、この卸売り場、食の台所から進めていきたい」と森候補が街頭演説。
2024年の選挙で衆院議員を失ったが、自民党本部が強力に"テコ入れ"。選挙中盤には上川元外務大臣、その翌日には小渕元経済産業大臣と、閣僚を経験した女性議員が次々と応援に入った。
■石破総裁も応援に
さらに、2024年の衆院選で「政治とカネ」の問題が大きな影響を与えた「福島3区」には...。自民党・石破総裁が「予算委員会で常に森雅子が訴えたのは、この福島から世界一の防災大国をつくる。(被災して)絶望の淵にいる人たちに最も温かい手を差し伸べるのは、政府の仕事ではないのか。それを一番声を大に訴えたのは森雅子じゃありませんか」と応援演説する。
■正々堂々と支持を訴え
支持層が被るとされる参政党との"票の奪い合い"が心配されているが、「正々堂々」と支持を訴える。
自民・現職の森雅子候補は「逆を言えば『自民党しっかりしてくれ』というような声だというふうに思いますので、自民党をしっかり改革しながら国民の皆様の望むことを実現できるように、しっかりと財源の手当てのある確実な責任のある政策を打ち出して、良く説明してご理解をいただくと」と話した。
◆候補者紹介◆
森さんの強みは何といっても閣僚経験者という知名度で、地盤のいわき市以外でも名前が知られている。一方、弱み・懸念は、自民党全体の逆風にもなっている政治資金問題で、県内入りした野党の幹部が森さんを「裏金の当事者」と批判する場面もあった。
連帯保証人になった親の借金から救ってくれた弁護士に憧れて、自身も弁護士になったという森さん、金融庁での勤務経験もある。森さんの選挙期間中のキャッチフレーズは「ふくしまを守る!」。街頭演説では「霞が関で震災の風化を大きく感じる」などとして、福島の復興のためには、自身の経験を国政に継続して活かすことが必要だと強く訴えた。
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