通算14回目の処理水放出を開始<福島第一原発>

東京電力は福島第一原子力発電所で、2025年度第3回目(通算14回目)の処理水の海洋放出を8月7日午前11時19分から開始した。
8月25日までの19日間で約7,800t(タンク約8基分)を放出予定。今回の放出分のトリチウム総量は3.0兆ベクレルと計画している。
福島第一原発では2023年8月に処理水の海洋放出を開始。
2025年8月3日に通算13回目の放出が完了し、合わせて約10万2,000t(タンク約102基分)の処理水が薄められて海に放出されている。
2025年度は、これまでに海洋モニタリングで異常などが確認されていないことなどから、放出する処理水に含まれるトリチウムの濃度を2024年度よりも高くする方針。東京電力は第一原発周辺海域で海水のトリチウム濃度測定を実施していて、発電所から3km以内で700ベクレルを検出した場合には放出を停止することとしているが、これまでにこの指標に達したことはない。
処理水放出は、敷地を圧迫する1000基あまりのタンクを減らし、廃炉のためのスペースを開けることが大きな目的のひとつ。
2025月2月からは、放出によってカラになった溶接型タンクの解体も始まっていて、まずは12基を2025年度中に解体する見込みとなっている。空いたスペースには燃料デブリの取り出しに関する施設を建設する計画。東京電力は廃炉の進捗に伴い、必要な施設を建設するためのスペースを作る計画を立てながらタンクの解体を実施していきたいとしている。
国と東京電力が掲げる福島第一原発の廃炉の完了は2051年。
タンク内のトリチウムがゼロになるのも2051年とされている。
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