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行方が決まらぬ除染土 再生利用も最終処分も「選択肢」がポイントに 政府が今後5年の工程表を公表

「2045年までに福島県外で最終処分」・・・約束の期限まで20年を切った。除染で出た土の県外最終処分や再生利用をめぐり、今後5年間の工程表が示された。

■5年後から候補地選定や調査を開始

8月26日の閣僚会議で示された「今後5年間」の工程表。
中間貯蔵施設に保管される東京ドーム11個分ほどの除染土は、放射能濃度が基準以下のものを公共工事などで再生利用し、残りは熱処理などで量を減らしてから福島県外最終処分する方針だ。
最終処分は2045年3月までと法律に定められていて、8月26日に公表された工程表では約5年後から候補地の選定や調査をはじめ、2035年を目途に選定する計画だ。
中間貯蔵施設がある福島県双葉町の町民は「処分する場所の話し合いとか、かなり難航すると思う。皆、自分の所に持ってこられるというのは、反対の人は多いだろう」と話す。

■再生利用を拡大を検討へ

また、再生利用については2025年7月に、はじめて総理官邸の前庭で利用が始まったが、これを中央省庁の花壇などで活用し、地方の出先機関への拡大も検討する。
これについて双葉町民からは「遅い。どうせやるのだったら、早めにやってくれないと、困る。先が全然見えない状態だから」と語った。



■選択肢がポイント

専門家は「再生利用でも最終処分でもどこまで政府が選択肢を増やせるか」がポイントだとする。
東京大学総合防災情報研究センターの関谷直也教授は「線量が極めて低い再生利用が受け入れられるかどうか、それによって最終処分の分量も変わってくる。協力してくださる自治体・エリアというものを、どれだけ確保できるかがポイントかと思う」と話す。

また「多くの住民が歓迎する施設ではないので、色んな事情で頓挫をするケースがたくさん出てくるので、できるだけ選択肢をたくさん増やしておくのは重要なポイント」と語った。