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「ガソリンの暫定税率廃止」高市首相が所信表明 利用者は歓迎の声 運送業界は軽油の暫定税率廃止に期待 

「物価高への対応」として、注目されている。10月24日初めての所信表明に臨んだ高市早苗総理。その中で決意を示したのが「ガソリンの暫定税率廃止」。今の国会で法案を成立させる考えだ。

■ガソリンの暫定税率とは

ガソリンの暫定税率廃止は、車社会の福島県にとって生活に大きな影響を与える。
いまガソリンの販売価格には本体価格に加え、1リットル当たり53.8円のガソリン税や消費税などが含まれている。このガソリン税はもともとの税率に加え、25.1円が上乗せされていて、これがいわゆる「暫定税率」にあたる。
1974年に道路整備などの財源を確保するために一時的な措置として始まり、現在まで続いてきた。
この暫定税率の廃止で暮らしはどうなるのか。ガソリン以外の燃料への広がりは?

■利用者からは廃止に期待の声

郡山市のガソリンスタンド。暫定税率が廃止されると、現在の補助金を差し引いて実質15円ほど、利用者の負担が軽くなる見込みだ。利用者は「ちょっとお安い時、値引きの時にその時に頑張って入れています。15円(下がれば)結構大きいですよね」「ドライブ好きなので(価格下がれば)結構遠出できるかな思っています」と話す。

北日本エネルギー・橋本裕真主任は「今までずっと値上げ値上げで来てまして、お客様からいつ下がるの?いつ下がるの?とは言われていたので、暫定税率の廃止でお客様の不安も解消されるのかなとは思います」と話す。

一方、スタンド側は暫定税率が廃止された場合、廃止前に仕入れたガソリンを売り切る前に価格を下げた場合含み損となる為、どのタイミングで価格に反映するか、慎重な判断も求められるという。

■軽油も暫定税率廃止へ

一方、軽油を燃料とするトラック。1リットルあたり17.1円の暫定税率が上乗せされている。高市総理は軽油についても暫定税率の廃止を目指すと表明している。
公益社団法人福島県トラック協会の清野隆常務理事は「それ(暫定税率)をなくすということにつきましては大変ありがたい。トラック業界としては、いま高止まりしている燃料がいくらかでも下がれば、それだけ助かるというのはそういう状況だと思います」と期待を寄せる。



■運送業界の厳しい現状

ただ軽油の暫定税率が廃止されても運送業界は厳しい状況に置かれているという。
福島県トラック協会の清野常務理事は「物流を止めないためには、やっぱり永続してこの業界が存続していかなければならない。そのためには何と言ってもドライバーです」と力を込める。

ドライバーを確保するための人件費や車両をはじめとした価格の高騰。あらゆるモノの価格が上がるなかで、負担の軽減は限定的だという。
清野常務理事は「(以前は)軽油の価格は100円を切ってましたよね。ですから我々はやはりそのレベルまで落ちて欲しいんですよ。落としてほしんですね」と話した。

■暫定税率廃止で1兆5千億円減収

暫定税率の廃止を巡っては与野党の協議が加速していて、少数与党の状況下で野党とどう合意できるかが焦点。
また、ガソリンと軽油の暫定税率を廃止すれば、年間で約1兆5000億円の減収が見込まれている。代わりの財源をどう確保するか、明確なビジョンもあわせて示していく必要がある。