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"マイクロドローン" 初めて3号機の格納容器内を飛行<福島第一原発>

燃料デブリの大規模取出しが計画される福島第一原子力発電所3号機で、3月5日、超小型の"マイクロドローン"による内部調査が開始された。
3号機は燃料デブリの大規模取出しが計画されているが、2011年の事故後、原子炉への注水などで格納容器内の水位が高い状態にあり、格納容器につながる経路として整備されているのは比較的高い位置にある内径の小さい配管のみとなっている。今後は内径の大きなアクセスルートの開拓が必要だが、現状の調査として約12cm四方の"マイクロドローン"をこの細い配管から格納容器の中に飛ばし、映像取得などの情報収集をする。

3月5日は2機のマイクロドローンを格納容器内に飛ばし、午前11時半過ぎからそれぞれ約8分間ずつ飛行。格納容器の内部にある原子炉本体「圧力容器」を支えている土台の周囲をそれぞれ時計回り・反時計回りに飛行させた。途中で電波が弱くなったとして引き返したものの、無線の状況が把握できるなど初日の目的は達成したとしている。途中で障害物にぶつかるようなこともなかったという。
格納容器への"離陸前"にマイクロドローンのカメラを通して見えた画像は、全体にもやがかかっているように映っている。東京電力は「原子炉への注水の影響でもや、霧がかかっていることや、現場が暗いことは想定内」として、今後も映像の撮影などを継続する考え。約2週間で21回の飛行を計画している。


マイクロドローンによる調査は、2025年12月の第1週にも実施される計画だったが、12月1日にマイクロドローンを格納容器の中に送り込むテストをしようとしたところ、ドローンを送り込むための装置が目的の場所まで進まず、途中で止まってしまうトラブルが発生。東京電力は「2025年中の実施を断念」とした。
その後の調査で、格納容器の中につながる配管と、2015年に設置した作業用配管の接続部分にズレがあったことが発覚。東京電力は、このズレにより装置の車輪の一部に負荷がかかり段差に引っかかってしまっていたと推定したうえで、車輪を"片側一輪から五輪に増やす"改善を実施。検証試験では装置が段差を乗り越えることができたとして、さらに"押し棒"や"グリップ力の高い素材の装着"などを実施して、調査再開に向けて準備を進め、今回の実施に至った。
3月5日の調査では、この装置のトラブルは発生しなかった。


3号機の燃料デブリ大規模取出しをめぐっては、2025年7月に東京電力が原子力損害賠償・廃炉等支援機構(NDF)に工程案を示し、一定の技術的な成立性が確認された。
「気中での取出し」「一部の燃料デブリは充填剤で固めてそれごと取り出す」という工法で格納容器の"横"と"上"からそれぞれ燃料デブリにアクセスする計画。放射性物質の飛散防止などのために設備や建屋を増設する必要があり、東京電力は「準備に12~15年かかる」としている。大規模取出しの開始は2037年度以降とされ、これまで掲げられていた目標である「2030年代初頭の着手」の達成は極めて困難な状況となっている。

2051年までの廃炉完了に向け、安全かつ着実な作業の実行が求められている。