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防災大百科

台風15号 長引く停電と県内初のレベル4
『予告なき災害 用意周到 臨機応変』

東京大学客員教授で防災行動や危機管理の専門家
「防災マイスター」の松尾一郎さんと防災について考える。

【まずは2019年9月10日大きな被害をもたらした台風15号を検証】
千葉県では鉄塔や電柱が倒壊し大規模な停電が発生。
断水や厳しい暑さも続き生活に大きな影響がでている。
停電が起きたのは強風により鉄塔が倒れたり電線が切れたことによる。
北海道胆振東部地震で発生した停電は発電所が停止したため。
これを人間の体・血管で例えると心臓が止まったたと言える。
今回の鉄塔が倒れたり電線が切れたりしたのは毛細血管が切れたと例えられる。
この毛細血管を修復するのは時間がかかる。だから復旧に時間がかかっている。

<福島県内の病院での停電対策はどこまで進んでいる?>
須賀川市の池田記念病院。
停電に備えて設置されているのが非常用の自家発電装置。
1台で2日間くらいは病院全体の電源をまかなうことができ、
発電装置は1度の給油で5日から1週間医療活動を維持できる電気を供給でる。
この病院では毎日の手術に加えて24時間稼働が必要な医療機器も多く
患者の命に関わる停電対策に万全を期している。
このほか入院患者や職員などが災害時に困らないよう飲料や医療行為に使える
約5日分の水も貯水槽に蓄えている。
また米や缶詰など様々な食料品も保管。3日から4日の食事を賄うことができる。

<自家発電装置がある県内の病院>
・福島県立医科大学附属病院 ・南相馬市立総合病院 ・白河厚生総合病院
・福島赤十字病院 ・いわき市医療センター ・県立南会津病院
・会津中央病院 ・竹田綜合病院 ・太田西ノ内病院 ・大原綜合病院
災害拠点病院だと3日間から9日間は停電に対応できる。

全部の病院が設備が整っているとは限らないので家族や自身が入院の際に確認することも重要。

<福島県では初のレベル4「全員避難」 避難の方法にも課題>
台風15号が千葉県に上陸したおよそ3時間後...
暴風域が近づいたいわき市では、県内で初めて高齢者などに避難を呼びかける「レベル3」を発令。
福島市も午前10時に「レベル3」を発令し、避難所を開設して台風の最接近に備えた。
しかし、わずか30分後。
一部の河川で氾濫の危険性が高まったことから、
流域の住民を対象に「全員避難」を呼びかける「レベル4」に引き上げた。
この場所では約1時間後、雨水の処理が追い付かなくなる「内水氾濫」が発生。

台風が最接近した昼前にはいわき市でも好間川流域の住民が「レベル4」の対象となり、
近くの保育園の園児たちも避難所で身の安全を確保した。
自宅で命を守る行動を取った人も...
「小学校に避難したって、家と高さが同じ位だから自宅の2階に」と垂直避難を選んだ。

いわき市と福島市のあわせて5万5000人が避難の対象となったが、
午後7時前にはすべて解除され、ケガ人などはいなかった。

<5段階の大雨警戒レベル 効果と課題>
切迫度に応じてレベルで示すことで早めの避難につなげるのが導入の大きな狙い。
「レベル3」は【高齢者避難】。「レベル4」は【全員避難】ということを明確に伝えられたのは一つの効果。
ただし初めて使われたレベル情報で促進につながったのか? 改善すべきことはないか?
常に振り返りを欠かさないことが大切。
避難所に保育園児が避難していたが前日の夜には「暴風警報」発令。
この時点で小中学校同様に休園措置をとってもよかったのでは?
その場合、保護者が務めている場合勤務先や地域の関係者が一緒になって議論していくことも重要。
命を守るため「みんなが動く」「みんなが考える」社会を。

<警戒レベル 内閣府の担当者も改善の必要性を認める>
〔内閣府風水害対策調整官菅良一さん〕
「分かりやすくなった一方で、それが実際に避難行動に移っているのかをというと、
必ずしもそうではないという話も聞いていて、そういう意味ではどういう風に皆さんに避難して頂くのか。
もう少し一方踏み込んだ形で我々も検討していかないといけないと思っています」

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