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防災大百科

9月のテーマは「地震」
『活断層!地球の営みの古傷 歴史を知って 我が身を守る』

東京大学客員教授で防災行動や危機管理の専門家
「防災マイスター」の松尾一郎さんと防災について考える。

【福島県にも3つの活断層】
1995年に起きた阪神淡路大震災を機に、福島県では主要な3つの活断層を調査している。
「会津盆地西縁断層帯」「福島盆地西縁断層帯」「双葉断層」
いずれもマグニチュード7を超える地震が想定され、活動の周期は3800年から1万年に1回とされている。
記録が残る直近の被害は、会津盆地西縁断層帯が震源地となった
1611年の会津地震で、この時は3700人が犠牲となった。

<活断層とどのように向き合えば良い?>
活断層はあらかじめ存在が分かっているが
最近起きた地震、内陸地震も含め活断層で起こった地震は熊本地震だけ。
多くは2018年に大阪で震度6弱を観測した「大阪北部地震」
北海道を震度7が襲った「胆振東部地震」は存在が知られていない『未知の断層』で起こった。
日本で住んでいる限りどこで地震が起こるかわからない。
日頃から揺れから身を守るためにどうすればよいのか考えておくことが重要。

<「未知の断層」で犠牲者を出した地震は、東日本大震災の1か月後にいわき市でも>
2011年4月11日。
福島県いわき市田人地区をマグニチュード7.0の地震が襲った。
大規模な土砂崩れが起き、住宅がのみ込まれるなどして4人が犠牲に。
この地震を引き起こしたのが「井戸沢断層」

田人地区振興協議会下山田誠さん:「2メートルの段差が生じた場所になります。
ちょうどこのあたりで西側が2メートル下がる形で井戸沢断層が現れたんですけど」

全長14キロにわたって地表にあらわれた井戸沢断層。
通常は陸側に押し込まれている「プレート」が震災によって海側に大きく跳ね上がり、
その反動で生じた海側に引っ張られる力に耐えきれず、動いたと考えられている。
断層の近くに住む斉藤富士代さんは当時の特徴的な縦揺れを鮮明に覚えている。

斉藤富士代さん:「ドッスン。一度だと思った気がするんだけど、みんな裸足で出てきた。
それから、ずっとドスンドスンというのは、鳴りぱなしくらいに、秒刻みくらいに続いていた」

震災から8年半、復旧・復興工事が進み「井戸沢断層」の痕跡はほとんど姿を消した。
そこでいわき市は約200メートルを「天然記念物」に指定し、
地震の記憶と教訓を後世に伝える取り組みを進めている。

その場所に案内してもらうと...
田人地区振興協議会下山田誠さん:「(当時のままですか?)そうですね、
ここの土が風化で落ちてきてますけど、崖自体はそのまま残っています」

2m以上の段差がいまもはっきりと残る貴重な場所。
その後の調査で1万2500年から1万7000年前にも地震が起きていたことがわかった。

田人地区振興協議会下山田誠さん:「地域で伝えていくだけじゃなくて、やはり防災という観点からも伝えていく非常に重要なものだと思います。
活断層の地震は本当に知られていない場所でも起こったりするので、
そういった意味で自分の所で起こるかもしれないという気持ちは持っていた方が良いと思います」

<井戸沢断層は1万2500年以上前にも地震が起きていた>
多くの地震は逆断層。井戸沢断層は非常に珍しい引っ張られて起きた地震。
この地震のあと研究者が現地で調査。
断層の真上にあった家は78%が全壊。
このデータからやはり断層の上には家は建てられないと言える。

<今後も活断層型の地震が起こる可能性はあるのか?>
福島県内の主要な活断層で今後30年以内にマグニチュード7以上の地震が発生する確率は
福島盆地西縁断層帯と双葉断層は、ほぼ0%、
会津盆地西縁・東縁断層帯はほぼ0から0.02%

福島の内陸地震は3000年とか1万年のサイクルで起きている。
それを「30年」で見たときほとんど起こらないという確立になる。
大きな被害が出た熊本地震は、最大で0.9%であった。しかし300人近くの人が亡くなった。
その確率を私たちはどう見ればいいのか、それをどう防災につなげていけばいいのか?
次回は、みなさんと読み方を考えてみたい。

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