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防災大百科

2024年に制定された「火山防災の日」 いつ起こるか分からない災害に備える

2024年に制定された「火山防災の日(8月26日)」をご存じだろうか?鹿児島県の桜島のように、常時噴火している火山は少ないが、全国には111の活火山がある。福島県の磐梯山は、1888年7月15日に477名が犠牲となった大きな水蒸気噴火があって以来、136年噴火は起きていない。しかし、いつかは起こるのが噴火であり、自治体も住民も火山はどこにあって、どういう影響があるのかなど知っておく必要がある。

全国的にも活火山が多い 福島県

福島県には5つの活火山がある。そのうちの一つ、吾妻山の浄土平に訪れた観光客に聞いてみた...「火山防災、意識していますか?」
「全然してない。とりあえず車乗って逃げることしか考えてない」と話す人や「とりあえず建物に逃げようっていう頭しかない。避難経路とかまでは全然把握してない」という声が聞かれた。

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6年前には警戒レベル2に

観光地でもあり、活火山でもある吾妻山。2018年9月には、小規模な噴火が発生する恐れがあるとして、噴火警戒レベルが「2」に引き上げられ、大穴火口から1.5キロの範囲は立ち入りが規制された。
突如、緊張感に包まれた浄土平。観光に訪れていた人たちも「放送をよく聞いたら下りなさいということで、一泊も中止して戻ります」と話し、驚きを隠せない様子だった。

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多くの避難者に備える

この次の年もまた、「レベル2」への引き上げがあった吾妻山では、周辺の施設も火山防災の取り組みを進めている。
吾妻山の大穴火口から約750メートルに位置する「浄土平ビジターセンター」は吾妻山が噴火した場合の避難場所の一つに指定されている。
吾妻山が噴火した場合、多くの避難者が身を寄せることを考慮し、施設にはヘルメット350個、防塵マスク400個など噴石から身を守る防具を備えている。
自然公園財団・浄土平支部の西村真一所長は「例えば御嶽山の時のような大きな噴火があった場合は、このエリア一帯に噴石が降り注ぐというか落ちてくる状況なることは考えられるかもしれない」と話す。

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施設自体の防災力も強化

対策を強化したきっかけは、2014年に噴火警戒レベル「1」だったにも関わらず死者58人、行方不明者5人の甚大な被害を出した御嶽山の噴火だ。
突如の避難に備え「浄土平ビジターセンター」でも噴石の衝撃に耐えられるよう、屋根に防弾チョッキと同じ特殊な繊維を使い、施設自体の防災力も高めている。

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避難行動の周知に課題も

しかし、土地勘のない県外からの観光客も多く、具体的な避難行動をどこまで周知できるかには課題も残る。西村真一所長は「周辺の登山道がどう繋がっているかというのも分かっていないと、避難の判断ができないと思いますので、出発前に地図をもう一回確認して避難経路も自分で想定して登山を始めることが大事」と話した。

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御嶽山はレベル1で噴火

2014年9月27日の秋空の良い天気で登山日和に、長野県と岐阜県の境にある御嶽山は、水蒸気噴火が起こった。噴火する二週間前から火山性地震が増える前兆は記録されていたが、久しく噴火していないから、気象庁も事前に噴火警報を発出できなかった。だから山頂にいた登山者の多くが犠牲となった。
だからこそ「活火山は噴火するという前提で付き合い、正しく怖れて、その時にどうすればよいかを考えておくべき」と東京大学大学院の客員教授で防災行動や危機管理の専門家・防災マイスターの松尾一郎さんはいう。

火山噴火に対応する防災訓練

「火山防災の日」は、国や自治体に防災訓練などを促すために設けられた日でもある。2024年8月に行われた福島県の訓練には、防災マイスターの松尾さんもアドバイザーとして参加した。福島県を中心に、自治体や警察・消防・自衛隊などが連携し「磐梯山での噴火発生」を想定した訓練では、登山者の避難誘導や県民への的確な情報発信について、それぞれの役割を確認した。

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常時観測で異変を察知

福島県には5つの活火山があるが、このうち、吾妻山、安達太良山、磐梯山については気象庁が常時観測を行っている。
震度や山の傾きを計測する装置や監視カメラなどを備えた観測点が、磐梯山には12カ所設置されていて、2022年12月末に多発した地下のマグマの移動などで発生する揺れ=「火山性地震」も捉えた。

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山を知る

磐梯山は1888年に噴火し、11集落を埋没させ、死者477人、負傷者28人の甚大な被害を発生させたと伝えられている。
近くの自治体などは、連携してハザードマップを作成し、「いざというとき」の対応を呼びかけているが、その情報を積極的に取りに行かなければ、自分の身を守ることはできない。
登山に紅葉、ウインタースポーツと四季を通じて私たちを楽しませてくれる山々とうまく付き合うために私たち自身も「山を知る」ための一歩が必要だ。

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常時観測火山は、気象庁などの機関が火山を監視していて、危険な状況になったら噴火警報を発表する。それを受けどのように対応するかを、周辺の市町村や観光事業者は予め防災行動計画を決めておくしかない。
住民や観光客は、自治体のホームページなどには、ハザードマップや噴火警戒レベルに合わせた行動、避難場所が掲載されているので、確認を。

火山防災も、他の災害と同様に事前の備えが重要になる。2024年から制定された火山防災の日をきっかけに、私たちも意識することが大切だ。

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