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吉兆か!? 会津藩主・保科正之公を祀る神社の枯れた井戸が復活 気象予報士・清野くんが徹底調査

福島テレビの気象予報士・清野貴大が、あらゆる角度から「天気」にかかわるアレコレを楽しく深く解説。今回は福島県猪苗代町のとある場所で、枯れた井戸に突然水が湧き出したという話題を調査した。

◇【動画で見る】動画はYouTube 福島ニュース【福テレ】でご覧いただけます

30年ほど前に枯れた井戸

2025年4月30日、雪解けが進む猪苗代町。サクラが咲く観音寺川も、豊かな水をたたえていた。水が突然湧き出したのは、そこから6キロほど離れた土津神社だという。
境内の裏手の坂道を登ること数分。静かな山の中に「円清水」と呼ばれる井戸がある。初代会津藩主・保科正之公が、自身の墓地を決める際に歩いていたところ、足元から水が湧き出ているのを見つけたのが始まりとされるこの井戸。磐梯山の開発が進み、山の保水力が失われた影響か30年ほど前に水が枯れてしまったといいう。

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良いことが起きる前兆か!?

しかし、長い年月を経て、こんこんと湧きだした水。4月中旬ごろ、掃除をしていた氏子の安藤孝一さんが、たまたま発見した。
土津神社・宮司の宮澤さんは「去年・今年と大雪に見舞われて、本殿の屋根が剥がれ落ちたり棟木が落下したり被害があった。しかし今年は鎮座350年という節目で、また清水が湧き出したので、きっとお参り頂いた方にも何かいいことが訪れるのではないかなと思っています」と話す。

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考えられる要因1「地層」

果たしてどこから流れてくる水なのか?水温を測ってみると水温を測ってみると10℃で、一般的な地下水の温度は14℃なので少し低め。何らかの原因で、円清水につながる水脈が復活したとみて2つの要素を検証してみた。
1つ目は地層。福島大学の柴崎直明教授によると、磐梯山のふもとの地層は火山を構成する溶岩。この溶岩の亀裂から磐梯山の雨水や雪解け水が、井戸につながる地下水脈に流れ込む。逆に、この地下水脈が詰まってしまうと水が止まってしまうという。

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考えられる要因2「雪」

次に雪との関係について。2025年は、会津を中心に大雪となった。猪苗代のアメダスは2月に観測史上3位となる175cmの積雪を観測した。
春になり、豊富な雪解け水が地下に流れ込んでいると考えられる。

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気象予報士・清野の仮説

円清水の水温は10℃で、一般的な井戸水より低く、やはり雪解け水と考えられる。柴崎教授は、円清水につながる地下水脈の詰まりが豊富な地下水によって押し流され解消した可能性があるとしている。

また郡山市の地質調査会社の「新境地水」は磐梯山の開発から30年ほどが経ったことで山林が回復し、保水力が戻った可能性を指摘した。

神社の井戸に水が戻るというのは神秘的な印象だが、天気も大きく関わっている可能性があるということだ。土津神社では、円清水をたくさんの参拝客にみてほしいと話していた。

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**福島テレビ・気象予報士 清野貴大**
福島テレビ夕方のニュース番組「テレポートプラス」の天気コーナー「空ネット」で、斎藤恭紀気象予報士のアシスタントとして5年にわたりコーナーを支える。2024年に気象予報士の試験に合格。
みなさんの疑問や要望に応えながら、より天気を楽しんでもらう、福島を一緒に学ぶ情報を届けていく。

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