テレビ番組サタふく
世界の電波を支えるふくしまの技術力 ~ 東北アンリツの挑戦~

私たちの生活に欠かせないスマートフォン、テレビ、インターネット。これらが正常に機能するためには「目に見えない電波」の品質管理が不可欠だ。福島県郡山市に拠点を構える東北アンリツは、そんな電波を可視化する計測機器を製造する国内トップ企業である。
「電波」を見える化する技術の最前線
「テレビってチャンネルがありますよね。きちんとチャンネル通りの周波数で動いているかを確認できる機械なんです」
郡山市待池台に本社を構える東北アンリツ。1985年に設立され、現在は319人(男性230人、女性89人)の従業員が働いている。主力製品であるスペクトラムアナライザは、テレビやスマートフォン、インターネットから発せられる電波を可視化する装置だ。これにより、企業の製品開発や電波調査などに重要な役割を果たしている。
「まず一般の人の目に触れる製品ではないです」と企業担当者は説明する。確かに一般消費者が直接購入するものではないが、私たちの通信インフラを支える重要な機器だ。その高い技術力は国内市場でトップシェアを誇るだけでなく、世界各国にも輸出されている。

高精度を生み出す製造現場
この日は、郡山市立片平小学校3年生の子どもたちが工場見学に訪れていた。
「1個1個手でつけてたら100日かかっても終わんないよ、これ」
ここで紹介されたのは、基板に部品を高速で取り付ける自動機械。はんだをクリーム状にして塗り、その上から部品を配置する工程を驚異的なスピードで行っている。
「この速さでつけてる。つけてる、つけてる、つけてる...見える?」
肉眼ではその動きを追うことさえ難しいほどの高速作業だが、こうした精密機械と人間の目によるチェックの組み合わせにより、世界に誇れる品質の製品が完成する。「こういうのが機械の中にいっぱい組み込まれて製品ができてしまう」と案内役は説明した。

地元に根ざし世界へ羽ばたく若手社員
東北アンリツでは福島県出身の若手社員も活躍している。郡山市出身で検査担当の小野聖奈さん(22)と須賀川市出身で出荷担当の齊藤聖人さん(22)に話を聞いた。
「県内を選んだ理由を聞かせていただいてもよろしいですか?」という質問に、「友人とか家族が県内にいるので、県内がいいと決めていました。県外に出て寂しい思いもしたので」と答えた。
彼は工業高校出身で、「県外に行かなくてもやりたいことができるんだから、学びたいことも学べばいいじゃんという感じで選びました」と地元就職の理由を語る。
「県外で働きたい気持ちはありませんでしたか?」という問いには、「若干ありました」と正直に答えつつも、「実際、県内で働くことによって地元の良さ、世界に進出している企業もあるので、地元すごいなという認識が強くなりました」と続けた。
「一旦地元を考えてみて、そこから外に行くのもいいんじゃないですか」と後輩へのアドバイスも。

子どもたちの心に灯った未来の可能性
工場見学を終えた片平小学校の子どもたちの反応は様々だった。
「見ていて面白かった?」との質問に、「なんかすごかった。ロボットがいっぱい働いている」と目を輝かせる子ども。「将来の夢は何?」と尋ねられた男の子は「プロマジシャンだけど工場の仕事もやっているとか」と答え、周囲を笑わせた。
「両方とも手先が器用じゃないとできないもんね」という言葉に、納得した表情を見せる。「ここで働いてみたいと思った人?」という問いかけに、多くの子どもたちが手を挙げた。
東北アンリツは郡山という地方都市から世界に技術を発信し続けている。そして次世代を担う子どもたちに、地元の誇りと可能性を伝え続けているのだ。目に見えない電波を可視化する技術と同じように、この地域の未来も明るく照らしているといえるだろう。

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