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備蓄米が福島県内のスーパーにも流通 品不足は解消も販売価格は依然高止まり 放出の効果はもう少し先?

政府備蓄米の1回目の放出から1ヵ月あまり。ようやく福島県内の小売店にも出回り始めましたようだが、果たしてその効果は...?

■田植えはじまる
青空が広がった4月30日の福島県大玉村。
鈴木健次さんの田んぼでは、今年初めての田植えが行われた。約1万平方メートルにコシヒカリを植え付け。10月頃に収穫時期を迎える。コメ農家の鈴木さんは「長年培ってきた栽培技術で今年も最高の米作りたい」と話す。

■備蓄米がスーパーに流通
一方、そのコメの流通をめぐっては。
止まらないコメの価格高騰を抑えるため放出が始まった政府の『備蓄米』。福島市のスーパーキクタでは、4月中旬から店頭に並び始め、品不足に悩まされることはなくなった。買い物客は「一時期本当に無かったですからね、どこのお店もね。今こういうふうに並んでいると少しは安心しますけどね」と話す。

■備蓄米の効果は?
一方で、価格は依然高止まりしていて、2024年の同じ時期の約2倍。備蓄米の効果は限定的だ。この店ではSNSでクーポンを発行するなど独自の工夫を続けている。
スーパーキクタ・菊田晴久社長は「少しでもお客さんが買いやすいような価格に変わっていくっていうのが、お客さんにとってもありがたい話かなと思っております」と話した。

■コメの市場価格と販売数
全国のスーパーでの販売数の推移。
コメ不足が話題になり始めた2024年8月頃に大幅に需要が伸びたが、その後は落ち着いた。そして、4月20日までの一週間のデータを見てみると、再びグンと伸びている。備蓄米が出回り始めた時期と重なる。

■価格は16週連続上昇
価格が低くなり、需要が伸びたのかと言えばそうではないようだ。
4月20日までの販売価格は5キロあたり4220円。前の週からプラス3円、前年の同時期と比べて倍以上になっていて、これで16週連続の上昇だ。
価格は下がらないのに需要は伸びている。この理由について、農林水産省も原因が分からないとしている。いずれにしても、備蓄米放出の効果を実感するのはもう少し先かもしれない。

一方で4月30日農林水産省は、3回目の放出で10万164トンが落札されたと発表した。5月以降も追加の放出を予定している。