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吾妻山・浄土平駐車場の"火山シェルター" 2026年完成目指して設置へ<福島県>

福島県は、活火山である吾妻山に"火山シェルター"を設置する計画で、このうち、浄土平ビジターセンターの駐車場に設置するシェルターをめぐり、県議会9月定例会で設置にかかる調査や設計の費用などを含めた補正予算案を提出し、2026年の設置を目指す考えを明らかにした。

観光地でもあり活火山でもある吾妻山は2018年9月、小規模な噴火が発生する恐れがあるとして噴火警戒レベルが1(活火山であることに留意)から2(火口周辺規制)に引き上げられ※、大穴火口から1.5kmの範囲で立ち入りを規制。2019年4月にレベル1に引き下げられたが、翌月に再びレベル2に引き上げられ、6月にレベル1に引き下げられた。

福島県や福島市などで構成される「火山防災協議会」ではこれまでに、浄土平ビジターセンターの駐車場や登山道などに"火山シェルター"の設置を検討している。県はこのうち、県有地であるビジターセンターの駐車場のシェルターについて、県議会9月定例会に提出される補正予算案に、設置環境調査や設計などに見込まれる費用490万円程度を盛り込む計画で、2026年内にも完成を目指したい考え。
福島県によると、登山道などについては福島市が設置場所等について検討を進めているという。

シェルターは、噴火で多数の飛来が想定されるこぶし大(10cm)以下の噴石の衝突に耐えられる強度の確保を目指している。


※噴火警戒レベル2(火口周辺規制)
地震活動や山体膨張を示す地殻変動、噴気活動の活発化等により火山活動の高まりがみられ、想定火口から概ね1.5km以内の火口周辺に影響を及ぼす水蒸気噴火が発生する可能性がある状態、または発生した場合に発表される。