日本初開催のデフリンピック閉幕 福島ではサッカー競技の熱い戦い デフスポーツや手話への理解の広がりも
聞こえない聞こえにくいアスリートの祭典「デフリンピック」が11月26日に閉幕した。25日に行われたのはデフリンピック・サッカー競技の決勝。"福島復興"のシンボルJヴィレッジで、日本代表の女子と男子が輝きを放った。
■福島県Jヴィレッジで開催
デフリンピックサッカー競技決勝の舞台となったJヴィレッジ。
日本代表の男子が金メダルをかけて対戦したのは、世界ランキングが1つ上のトルコ。前々回のチャンピオンだ。
日本は前半開始早々、中央でボールを奪われ、先制点を許す。しかし、その3分後には左サイドでボールを持った林が中に切れ込み強烈なシュート。すぐさま同点に追いつく。
しかし、前半17分。ミスからトルコにゴールを奪われ、再び追いかける展開に。
■男女とも銀メダルの快挙
追いつきたい日本は後半。右サイドからのクロスに星河がヘディングシュートを放つもゴールキーパーに阻まれ、得点を奪えず。
試合終了間際にも怒涛の攻撃をみせたが、トルコの牙城を崩せず1対2で試合終了。
惜しくも敗れたが、初めての銀メダルを獲得した。
25日は女子決勝も行われ、日本はアメリカに敗れたが、女子も初めての銀メダルを獲得。男女で快挙を果たした。
■家族も一緒に
一方、スタンドには選手とともに戦う家族の姿があった。
男子日本代表・古島啓太選手の妻・有美さんは、自身も聴覚障害を持つ。「選手たちが頑張ってアピールはしているんですけど、勿論、私たちも出来ることは、自分から手話も言語だし、聞こえない人も一緒に出来るよっていうことも伝えたいです」と語った。
■観客も手話を体験
スタジアムの外で人気を集めていたのは、自分の名前の指文字や手話の挨拶を学ぶ体験ブース。手話への理解を広げようと福島県の聴覚障害者協会が4日間実施し、一日に約100人が訪れた。
体験した人は「補聴器を付けている方がいて、困っていると感じたら手助けしたい。もっと知識をつけないといけないと思った」と話す。
■大会をきっかけに
デフリンピックをきっかけに「共生社会」への理解が深まりつつあるようだ。
福島県聴覚障害者協会の忍浩知さんは「デフリンピックが終わるまでではなく、さらに手話を勉強したいという方や、聞こえない方々についてもっと理解したいという意欲を上げていただくと嬉しく思う」という。
また福島県聴覚障害者協会の小林靖事務局長は「手話の普及に加えて、デフリンピックが分からない人が多かったですが理解をしてくれる方の広がりがあった。デフリンピックの効果があったかなと思う」と評価した。
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