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防災大百科

台風19号
『本流の水位上昇が支流の決壊に "決壊連鎖" 命を守る早めの行動』

東京大学客員教授で防災行動や危機管理の専門家
「防災マイスター」の松尾一郎さんと台風19号の被害「決壊連鎖」について考える。

【中通りの堤防の決壊は支流を含めた阿武隈川で全て発生。その数は30カ所にのぼる】
<「防災マイスター」松尾一郎さんに聞く!>
台風19号で氾濫した国が管理する主な河川を見てみる。
福島県から宮城県を流れる阿武隈川には代表的な観測所が12カ所。
氾濫危険水位を超えた観測所は10カ所。
上流から下流まで水位が高い状況にあったのが阿武隈川であり非常に危険性が高かったことが見て取れる。
阿武隈川の本流の水位が高く支流が流れていかない。
どんどん下流からせき上げしていって水が溜まって結果的に堤防決壊に至った。
支流が決壊するのは過去の災害をみてみても多い。

【本宮市では、阿武隈川の氾濫だけでなく支流の安達太良川の堤防が決壊】
33年前の集中豪雨「8.5水害」を上回るおよそ1400世帯が浸水したとみられている。
高齢者をはじめ7人が犠牲となり、多くの住民が屋根の上で救助を待つ事態になった。
被災した住民が共通して振り返るのは浸水の早さ。
地区で策定した「防災マニュアル」にも安達太良川の決壊は想定されていなかった。
住民は「安達太良川の決壊はちょっと私らは考えられなかったですね」と話す。

【バックウォーターへの備え「防災マイスター」松尾一郎さんに聞く!】
去年の西日本豪雨でも岡山県倉敷市真備町で支流から決壊した。
まさにバックウォーター。災害の場合はよく起こりうる。
・国、県、河川管理者は支流でも溢れない・壊れない堤防を目指す
・支流であっても水位がどういう状況か地域に伝える仕組みを作る
さらに住民は...ハザードマップなどで氾濫した場合の浸水範囲を知っておく。
大きな川の水位が高いときは早めに逃げる! 知る努力と早めの行動が重要なこと。

今回の台風19号では国が管理している大きな河川だけでなく県が管理する河川でも被災している。
近年、雨の降り方が変わってきていてこのような災害は今後続く。備えを急ぐ必要がある。

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