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記者プレ

コミュニケーションの取り方も伝授 市が始めた「婚活の大学」 背景に少子化やならではの事情も

記者の視点で社会や地域の話題を紹介する「記者プレ」 今回、阿部加奈子記者が注目したのは「自治体の婚活支援」
最近はマッチングアプリで結婚する人も珍しくないが、なぜ自治体が婚活をサポートするのか取材した。

◇動画はYouTube 福島ニュース【福テレ】でご覧いただけます。

婚活支援の背景に少子化

自治体が取り組む「婚活支援」の背景にあるのが加速する「少子化」
福島県の場合、女性一人が生涯に生む子どもの数を示す合計特殊出生率は、震災後の2016年をピークに減少し、2022年は1.27と3年連続で過去最低となっている。また、福島県で2022年1年間に生まれた赤ちゃんは9709人で、統計開始以来、初めて1万人を割った。

まずは"出会い"を支援

岸田首相も2030年までをラストチャンスとして、異次元の少子化対策を掲げたが、
少子化対策というと子育て面の支援が強化されている。出産・子育ての前には、パートナーとの出会いがある。
福島県が行った、未婚者を対象にした調査では「結婚したい」という気持ちがある人は7割を超えている。一方で、現在独身でいる理由は「異性と出会う機会そのものがないから」と3割の人が回答した。この"出会い"の部分を支援しようと、自治体も様々な取り組みを進めている。

基本や具体的な事を学ぶ

福島市が6月1日に開校したその名も「婚活の大学」
これまで様々な婚活イベントを企画してきたが「異性とどう接していいか分からない」などの声を受け、話し方も含め基本的なコミュニケーションを学んでもらうことを目的としている。セミナーでは3ヵ月間、婚活の"HOWTO"などを紹介する動画を視聴でき、専門家から個別にアドバイスを受けることができる。

ふと気が付くと同世代は

この日、個人レッスンに訪れたのは婚活2年目の佐藤郷介さん(37)
看護師として働いてきた佐藤さんは2年前、7年以上交際していた彼女と結婚を考えたが、周囲の反対から別れを決意。新たな出会いを求めて婚活を始めようとした矢先に新型コロナの感染が拡大した。
医療従事者として忙しい日々を過ごす中でふと、同世代をみると...「友人の子どもが生まれたとか、見るとかわいいんですよね。幸せな友達とか見ると、いい顔しているんですよ。だけど自分は独りだな、というのが」と郷介さんは話す。

優しさが頼りなく見える

婚活の大学で講師を務める佐藤朋子さんが、郷介さんの性格を分析。優しく相手を尊重する傾向が強く現れた一方、「良い人止まり」で終わってしまう可能性があるそう。自分の意見を口に出して伝えることで「頼りがい」につながるという。
講師の佐藤さんは「どう目の前の女性を楽しませようかと、そういう風にシフトするといいかもしれない」とアドバイスした。

一つ一つの出会いを大切に

講師の佐藤さんは結婚と離婚、シングルマザーを経て再婚も経験している。
だからこそ「どんな困難とかも一緒に乗り越えていけるような。パートナーと向き合うというより、同じ方向を見て歩んでいけるような人が見つかればいいんじゃないかなと思ってますし、何億万人分の1の出会いを一つ一つ大事にしていってもらえたらいいなと思う」と話す。

郷介さんは「婚活の大学」で自分自身をさらに成長させていくつもりだ。「理想は、流されない人。しっかり自分を持っていて言い合える人。自分も幸せになりたい」と語った。

婚活を取り巻くならではの事情

福島県の婚姻率は過去最低を更新し、全国38位。「婚活の大学」の講師・佐藤朋子さんは、婚活を取り巻く福島ならではの事情もあると分析する。
それが女性の流出。福島県の女性は、県外に移り住むなどの流出率は全国でワースト2位。女性が少なく男性が多い状態となっている。
また「夫は外で働き、妻は家庭を守るもの」といった親世代の考え方・価値感を当事者に押し付け、結婚に対するモチベーションが下がってしまう例も少なくないそう。

結婚後の経済的な不安も、夫婦が互い支え合えやすい働き方なども含め、結婚がゴールではなく、その先のライフステージに応じた切れ目のない支援や周囲の理解が欠かせない。

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