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フカマル

親孝行が誕生のきっかけ!? あんぽ柿づくりに革命「自動皮むき機」

福島県民なら誰でも知っているであろうものを、とことん掘り下げる「フカマル」
今回は、国内シェア9割以上を占める「自動皮むき機」について。

◇【動画で見る】あんぽ柿づくりに革命「自動皮むき機」 パイナップル専用も開発

手間がかかる皮むきに救世主

初冬に最盛期を迎える「あんぽ柿作り」。福島県伊達市梁川町五十沢地区は、あんぽ柿発祥の地といわれ、その歴史を紡いできた。
あんぽ柿農家の宍戸里司さんは「大昔は1つ1つピーラーを使って、人の手で全部カキの皮をむいていた。人海戦術だった」と皮むきの苦労を語る。それが今や、カキがくるくる回り、すごいスピードで皮をむくことができるように。かつては人海戦術だったという皮むき作業の救世主、それが「自動皮むき機」だ。
「すごい、すぐれもの」とJA伊達みらいのあんぽ柿部会長を務めていた宍戸里司さんも絶賛する自動皮むき機。これを作った会社を訪ねた。

電子部品から皮むき機へ転換

自動皮むき機を作っているのは、福島市飯坂町にある「アストラ」。ロゴマークにはカキの皮がむける様子が描かれている。
アストラは1991年に電子部品製造の会社として創業、皮むき機への転換を図ったのは2002年から。でもなぜ、皮むき機なのか?アストラの社長・一條浩孝さんに聞いた。

孝行息子の思いから誕生

「母が肩が痛いんだと。どうしたの?と聞いたら、半年以上前にやっていた干し柿の皮むき作業の肩こりが、未だにとれないんだと。続けて、おまえ機械を作っているんだったら、自分用に簡単にできる皮むき器をつくってくれないか」と一条社長は誕生の経緯を話す。
あの「すぐれもの」は母親の肩こりを何とかしてあげたいという、孝行息子の思いから生まれたのだった。

続ける進化 国内シェアは9割以上

その自動皮むき機は、進化を続けている。カキをトレーに乗せるだけという簡単なものも。カキひとつの皮をむくのにかかる時間はわずか5秒ほど。ヘタをとって皮をむき終わるまでの一連の流れは、芸術的ですらある。
アストラの業績は右肩上がりで、カキの皮むき機の分野では国内シェアの9割以上を占めるまでになった。

様々な果物の皮むき機を世界へ

入社2年目、中国出身の高雪さんは中国や台湾への輸出を担当している。
アストラは中国をはじめ、世界56か国に様々なフルーツの皮むき機を輸出。海外では、パイナップルやマンゴーの皮をむく機械の需要が高いという。

パイナップル皮むき機 開発に3年

アストラで開発を担当する佐藤晃浩さん。パイナップルの皮むき機開発には、3年の歳月を費やしたという。楕円形をしたパイナップルの形にそって皮をむく技術が、海外で高く評価されている。佐藤さんは「難しかった。結局、皮が固いのでどう薄いピーラーでむくかっていうのが、やはり難しかった」と振り返る。

商品名のヒミツ

アストラが誇る、自動皮むき機のラインナップは...瞬く間に皮をむきとる「瞬助」定価30万円。どんな形の柿にも対応!あんぽ柿農家の救世主「恵助」定価80万円。パイナップルの硬い皮もなんのその、海外で大人気!「大助」定価100万円。
一條社長は「お助けするという意味があるので、全部"助"ってつけている」と話す。さらに「一番最初は"瞬助"、当時中村俊介さんが有名だったので。その次、カキ用は"恵助"これは本田圭佑さんが有名で...」とサッカー選手の名前からだった。

果樹王国・ふくしまへの恩返し

一代でアストラを成長させた一條さん。今後の展望を伺うと「福島県は果物王国といわれている。福島だからこそ生まれた、福島ならではの会社だと思っている。おこがましいですけど、ふるさと福島に恩返ししたいですし、貢献していきたいと思います」と語った。

ことわざに「必要は発明の母」とあるが、一条さんの母への思いが発明につながった皮むき機。今後の展開からも目が離せない。

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