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閉院した診療所を引き継いだ医師夫婦 目指すはみんなが寄り道したくなるクリニック

医師不足が深刻化する中、地域医療の新たな担い手としてバトンを受け取った開業医の夫婦。二人が目指すのは"寄り道"したくなる診療所だ。

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夫婦で始めた診療所

医師の遠藤芽依さんは、夫の翔太さんともに2025年春に新たなスタートを切った。
福島県立医科大学出身の遠藤さん夫婦。勤務医を経て、2025年5月1日に福島県郡山市の中心部に「よりみち家庭医療クリニック」を開院した。
院長の芽依さんは「1カ月半ぐらいは診療しないで準備していたので、早く診療したいな・患者さんに早く会いたいなという気持ちがずっとありました。顔なじみの患者さんが来てくださって、すごくうれしかったです」と話す。
クリニックでは外来の診療だけでなく、必要に応じて訪問診療も行っている。

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みんなが待ち望んだ開院

この日は、母親の享子さんも芽依さんの様子を見に訪れた。開院について享子さんに聞くと「大丈夫なのかなみたいな(笑)でも患者さんたちから『芽依先生ファンだ』って声を聞いてすごくうれしい。誇りに思います。中学のときには医者になると言っていたので」と話す。
産業医の仕事の傍ら、副院長として芽依さんをサポートする夫の翔太さん。以前から診察してもらっていたという男性は「夢のようです。今までは勤務医として先生にお世話になっていましたから。このオープンまで大変長く感じました」と話した。

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閉院した診療所を受け継ぐ

遠藤さん夫婦は「医業承継バンク」と呼ばれる事業承継制度を利用し、2025年1月に閉院したこの診療所を引き継いだ。
2024年に全国で廃業や解散を余儀なくされた医療機関は、過去最多の722件。地域医療を担う「後継者の不在」が大きな課題となっている。
医業承継について芽依さんは「どんどん先生方が辞められていく中で、患者さんとの絆をつないで、バトンを繋ぐことはとても良い事」という。

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3人の子どもを育てるママ

24歳で第一子を出産した芽依さん。医師として働きながら、3人の子どもを育てている。
夫の翔太さんは「戦友」だという芽依さん。そんな芽依さんの日々の様子を「すごい速さで洗濯物をたたんで、片付けして。前よりギア2個ぐらいあげて、一生懸命家事をしているなと思ってみています」という。

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診療だけでなく集いの場に

開院から約1カ月。今後は、診療の合間をぬって地域の人が楽しめる交流イベントなども企画していきたいという。
翔太さんは「来てくれた人が、社会・地域とのつながりとか運動するきっかけとか、治療に前向きになってもらうきっかけみたいなものを提供できたら」と話す。
また芽依さんは「診療はもちろん、地域を応援する存在・クリニックになりたいっていう思いがあります」と語った。

「地域の人が気軽に"よりみち"できる街のお医者さんに」地域に寄り添う夫婦の歩みは、始まったばかりだ。

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