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暖かさで支援《ウクライナ侵攻1年》戦争と避難生活を経験した男性のウクライナ支援【福島発】

福島県福島市の武田徹さん82歳。
ある呼びかけをきっかけに全国から100通を超える手紙が寄せられた。
「ウクライナの皆さんにも一人じゃないということをお伝えください」
手紙とともに届けられたのが多くの"カイロ"。
ウクライナでは、氷点下の厳しい寒さでも停電や燃料不足から暖をとることが難しい状況にあることを知り、武田さんが代表を務める会が支援物資として募ることを決めた。
活動に賛同し、1カ月間で集まったカイロは約31万個。北は北海道、南は九州まで全国から善意が寄せられ、このうち3分の1が福島県内からだった。

武田徹さん:「自分の体験に重ね合わせて、困っている人を支援したいという人が、あちこち全域(にいるの)ですよ」

武田さんの支援活動に深く関係しているのが、幼いときに刻まれた戦争の記憶だ。
武田徹さん:「爆弾一個落ちると、ずずずずんと音がするんですよ。ずずずずんと音がして、身体で感じるんですよ。(戦争を)体験していることとウクライナが繋がるの、だから」

原発事故の後は、一時山形県などに避難した武田さん。戦争、そして避難を経験しているからこそ、ウクライナの人々が置かれる現状を決して他人事ではないと話す。

武田徹さん:「生きながらえてほしい。生きながらえれば、必ず将来、いろんな選択肢が生まれるし、幸せな道を見つけることができるだろうと」

全国から募ったカイロは1月、ウクライナ政府宛てに第一便を発送。
早ければ5月までに全てを送る予定で、武田さんは今後国内に避難するウクライナの人に向け、新たな支援を計画している。