熱中症に警戒を 消防本部に密着 対応追われる現場 熱中症の救急搬送は過去最多のペース【福島発】
お盆が終わっても猛暑は続いている。ここ1ヵ月、熱中症の疑いで病院に運ばれた人数。8月上旬までは1日に30人を超えていた。その後涼しい日もあって、減少しつつも、猛烈な残暑で、再び増え始めている。福島県内の2025年の熱中症は1325人と、すでに2024年1年間を上回った。いま、消防の現場は...
■1日100件近くの119番通報
「119番消防です。火事ですか?救急ですか?」福島県郡山市や田村市など4つの市と町を管轄する郡山地方広域消防組合。消防指令センターには、急病や火災、交通事故などで多い日には1日100件近くの119番通報が入る。
「呼びかけてもらって反応はまったくないんですか?まったくないですか、呼吸しているかどうか確認してもらいたいんです」と対応する。
■熱中症の救急搬送 過去最多のペース
そんな中、熱中症による救急搬送も2025年は"過去最多のペース"で増え続けている。郡山消防署・森田昌之指導救命士は「熱中症(の救急搬送)の数でいいますと、昨年の7月と比べ、今年の7月は1.7倍熱中症が発生しておりまして、昨年より早いペースで熱中症が発生しているような状況となっております」と話す。
熱中症で救急搬送された人は、7月だけで137人。2024年の同じ時期を60人近く上回り7月としてはこれまでで最も多くなっている。
■厳しい暑さ続く 熱中症へ警戒
日中の気温が32℃まで上がった8月18日も...「倒れたのは何分ぐらい前ですか?5分ぐらい前?」70代の男性警備員が外で倒れたと熱中症が疑われる通報が...。
「救急車到着するまで体の脇・脇腹とか腕の下あたりですね、その辺を冷やしたり、あとベルト緩めたりして安静にしてお待ちください」
幸いこの男性は大事には至らなかった。しかし、厳しい暑さは今後も続く予想で、特に高齢者や小さな子どもは引き続き熱中症への警戒が必要だ。
郡山消防署・森田指導救命士は「高齢者ですと、暑さを感じにくいといった理由で、エアコンを使用しなかったり、お子さんですと、激しい運動とかをした後、水分をとらなかったという形がありまして、自分で気付くことができないのであれば、(家族など)他の人に気付いてもらうというのが大事かなと思います」と話した。
■例年以上に重症化の傾向
郡山消防本部によると、中等症以上が4割を超えていて、例年以上に重症化の傾向があるということだ。8月20日以降も、35度以上の猛烈な暑さ、残暑が続く。学校では2学期が始まって以降も、熱中症に厳重な警戒が必要だ。19日も県内では13人が熱中症の疑いで病院に運ばれている。こまめな水分・塩分補給の徹底を。