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異例の数...熊出没にSNSで広がる「メガソーラー原因説」に専門家「ほとんど影響はない」

福島県内でクマの目撃情報が相次ぐ中、SNSでは「メガソーラー建設がクマの出没増加の原因ではないか」という投稿が拡散されている。この関連性について、専門家は「ほとんど影響はない」と指摘している。

■SNSで拡散する「メガソーラー原因説」
クマの大量出没に関連して、SNS上では「クマの増加はメガソーラーが原因」「メガソーラーの分布とクマ被害区域が重なる」「メガソーラーがクマの住処を奪った」「先達山のメガソーラー設置でクマ目撃が増えた」という投稿が拡散されている。

■専門家「メガソーラーとクマ出没の関連性は低い」
東京農業大学の山崎晃司教授は、クマの出没が全国トップクラスの秋田県の事例を挙げて「秋田県のメガソーラーはゴルフ場や耕作放棄地、スギなどの人工林に建てられており、もともとクマが生息しない場所を利用している」と説明している。

■クマの生息域とメガソーラーの面積
一方、福島市の先達山のメガソーラーについては、「伐採された木の大半はブナ・コナラなどの広葉樹林」であり、クマの餌となるどんぐりなどがある場所だったことが確認された。
しかし、日本ツキノワグマ研究所の米田一彦理事長は「メガソーラーの面積はクマの生息域に対して微々たるもの」と指摘。また東京農業大学の山崎教授は「クマの行動範囲はオスで100〜200平方キロメートル、メスでも50平方キロメートルに及ぶのに対し、先達山のメガソーラーは0.6平方キロメートルしかない」と指摘する。

■専門家の分析まとめ
「クマは時速50km前後で移動することもあり、非常に広範囲を活動領域としています。メガソーラー建設地はその一部に過ぎず、クマの行動範囲全体への影響は限定的」と専門家は分析している。

■今後の見通し「初雪とともに出没は収まる見込み」
専門家によると、市街地でのクマの出没は初雪が降る頃には収まってくる見通しだという。冬に向けて気温が下がり、初雪の季節が近づくにつれ山に戻ることが期待される。