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防災大百科

台風19号
『防災協定が "絵に描いた餅" にならなための 日頃からの連携!』

台風19号は福島県に大きな被害をもたらした。
東京大学客員教授で防災行動や危機管理の専門家「防災マイスター」の松尾一郎さんと
災害時の協力体制「防災協定」について話をする。

【広範囲に被害が出た場合、企業などの力も借り支援や復旧作業を進めていくことがなぜ大切?】
<防災マイスターの松尾一郎さんに聞く!>
被災した自治体も被災者も大きな災害は初めての経験で混乱するし対応含めて右往左往する。
全国で災害経験のある企業や防災機関からの支援というのは
被災地の復旧を急ぐ意味で大きなメリットがある。

【台風19号で機能した福島市が事前に企業などと結んでいた「災害協定」】
「衣服が足りない」という避難者の声をうけて、大手スーパーの「イトーヨーカ堂」に連絡。
事前の取り決めにより、正式に支援を求めた翌日には物資が届き、
およそ100着を避難者に提供できた。

【一方、県を通して必要な物資を提供する支援の形も...】
福島県は災害が起きた場合、被災した市町村に
リエゾンと呼ばれるパイプ役の職員を派遣して、ニーズを把握している。
浸水被害をうけた伊達市で使われていたのは、
大手通信「KDDI」から無償で提供された携帯電話。

福島県がKDDIと結んだ協定は、
災害支援に限らず県産品の振興や復興支援など幅広い分野を包括しているのが特徴。
福島県はこれまでに大手企業など19社と包括連携協定を締結。
そのなかには店の駐車場を避難場所にすることや、
サービスエリアを防災拠点として活用することなども盛り込まれていた。

【しかし台風19号で運用されることはなく、協定が機能したとはいえない状況】
<福島県災害対策課 角田和行課長>
「市町村の方から特段の要望といいますか、調整が入らなかったということだが、
一方で連携協定に基づく対応も可能だということに対して、
我々の方も周知が不足していたと反省する点はございます」

【包括連携協定は結んで終わりではなく実際に何をしたかで本当の価値が決まる】
<防災マイスターの松尾一郎さんに聞く!>
課題は災害が発生して事後の対応をいかに効率的にできるか。これが被害の拡大防止につながる。
実際、災害後は被災者は避難したり、生活支援を考えたり生活再建など様々なことをしなくてはならない。
自治体や被災者は過去の被災経験が少ない場合が多く個々で対応するのは難しい...
なので包括連携協定の運用の中で被災者に寄り添って支援していくことがとても重要。
ですが...必要となる支援は災害の内容や規模によりニーズが異なる。
市町村が主体的な協定は当事者なので調整ができるが、
県が結んでいる協定は混乱している市町村への聞き取りが難しく調整が困難。
災害が起きる前に市町村と県でどういう行動をしていくか決めておくことも協定を機能させる1つのやり方では。
また、市町村からの要請を待たずに「おしかけ」て支援していくことも大切になってくる。

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